2018/07/02 2019/04/29
【頭痛・吐き気】ファスティング・断食の好転反応を専門家が解説
ファスティングアドバイザー(1級断食指導者)
田中 裕規(断食メガネ)/ファスティング、分子栄養学、筋トレ、料理の専門家
ファスティングを独学で始めて問題無く進めば良いのですが、頭が割れるような頭痛、吐き気、口内炎、吹き出物、舌苔(下が白くなる)、便秘、寝起きの震え、冷や汗などの症状が出ると1人では原因も対処法も分からず、これって好転反応?と不安になってネットで調べても
『好転反応だから我慢』
『デトックスの反応』
『毒素の排泄反応』とか、いい加減な事が書いてあり、あまり参考になる答えが探せないと思います。
好転反応はデトックスによる反応と一言で片付けるのは納得できないですし不安が募るだけだと思います。
これまで、のべ12,000人以上をサポートしてきた中で、これらの不調が出るタイプには傾向があることが分かりました。
ファスティングを始める前にこの記事を読まれた方は、予防として、現在ファスティング中で慌てて調べた方はここで提案する対処法を実践して頂ければと思います。
ファスティング中の頭痛
「断食すると最初の1~2日は頭痛が起きる」
頭痛が出るのが定説のようにネットでは『断食=頭痛が起こる』と情報が溢れていますが、ファスティングを始めて1~2日に起きる頭痛のほとんどはカフェインを止めた事による中毒症状です。
普段からコーヒー、紅茶、抹茶、緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、マテ茶、プーアル茶、栄養ドリンク(○○D、○○V)、エナジードリンク、精力剤、頭痛薬、チューイングガム、無水カフェイン入りの薬などカフェインが含まれるものを摂っている方に起こります。
毎日のたった1杯の紅茶でも、飲むのを止めたとたんに頭痛、吐き気、倦怠感が出る人もいます。
ちなみに、カフェイン依存がある場合、貧血、鉄欠乏、副腎疲労などが隠れている可能性があるので、専門の医療機関で検査してみるのも良いかと思います。
デカフェ(カフェインレスコーヒー)に関しても、実はカフェインが含まれています。
コーヒーの公正取引規約にはデカフェと表記できるのが
『コーヒー入り清涼飲料(カフェインレス)とは、カフェインを90%以上除去したコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分のみを使用したもの』
とあるように、10%未満の含有量であれば『デカフェ』『カフェインレス』と表記することができるので、カフェインが0ではないのです。
デカフェであってもカフェインが含まれることを考え、飲むのを控えたほうが良いでしょう。
ほかにコーヒーに含まれるクロロゲン酸、紅茶・緑茶に含まれるタンニン(カテキン)は鉄の吸収を阻害することや、コーヒー豆はかなりの確率でカビ毒(マイコトキシン)が発生している問題もあり、デカフェはさらに高レベルでカビが発生してるといわれます。
カビは発がん、炎症、アルツハイマーリスクの高い毒物ですのでこのことからもできる限り控えた方がよいです。
ファスティングに入る2週間前、遅くても1週間前からカフェインを控えないと、1~2日、酷い方だと4日くらい不調が続く事があります。
この場合の対処法はむかえ酒ならぬ、むかえカフェインで治まるのですが、これではいつまでたってもファスティングに入れませんので、カフェインを解毒する力を上げるためにタウリンを飲み、水や、抗炎症効果のあるハーブティーを飲んで尿でどんどん解毒していくと楽になります。
カフェインの代謝のほとんど(約95%)はCYP450ファミリーのCYP1A2が担っているので、タウリンを摂取する事で解毒を促進させ、影響を軽減できると考えられます。(※1)
他に、食品に含まれる化学物質、環境汚染物質などでCYP450の働きが阻害されるのでファスティングに入る2週間前、最低でも1週間前までに頭痛薬の常飲、コンビニ、冷凍、インスタント食品の常食なども控えてください。
予防としてデトックスも高めるためにタウリンを2週間前くらいから、朝、夕に各1000mgずつ飲むと予防になります。
アルコール中毒を抜け出すためアルコール断ちしている人に、ノンアルコールビールを差し出す事が道徳的に良いか考えると、判断つくと思います。
カフェインはアドレナリンを刺激する精神刺激薬であり、興奮、覚醒作用があり、仕事前にカフェインを摂るらないとスイッチが入らない方は、これを機にカフェインとの付き合い方を考えてみるのも良いと思います。
また、コーヒーはミネラルの吸収を阻害しますので、鉄欠乏による貧血、亜鉛不足によるイライラ、生理前のイライラなどある方は特に控えた方が良いでしょう。
カフェインを止めた事による頭痛の対応として
タウリンを飲む⇒スーパータウリン
抗炎症、解毒効果のあるハーブティーを飲む⇒ビューティークレンズ
カフェイン以外の影響と考えられる場合は、還元力が高く抗炎症が期待できるマグマソルトと、ミネラル酵素梅干しでクエン酸、ミネラルを摂ることですーっと楽になります。
梅干しは昔から三毒を消すと言われており、『水の毒』『食べ物の毒』『血の毒』を消すと伝えられている療養食と言えます。
どちらにしても、正しい方法で行えば頭痛が出ても時間と共に軽くなり、1日~2日で治まりますのでご安心ください。
ファスティング中の頭痛の原因と対処法はをもっと詳しく知るにはこちらを参考にしてください。
ファスティング中の口内炎
ファスティング3日目くらいに口内炎ができる事があります。
これはナイアシン不足やビタミンA不足、もともと胃の調子が悪かったり、口腔カンジダなどが考えられます。
ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、体から流れにくく、ファスティングで栄養が不足してすぐに影響が出る事はないと思いますので、ビタミンB、特にナイアシン不足が原因と思われます。
ナイアシンはトリプトファンを原料に体内で作られますが、ビタミンB6不足(タンパク質の過剰摂取、便秘、下痢、腸カンジダ、抗生剤の多飲による腸内環境の悪化)、炎症(脂肪肝、上咽頭炎、胃炎、腸炎、鼻炎など粘膜の炎症)があると合成経路が低下しナイアシン不足になります。
アルコール、薬物の多飲がある場合はナイアシンを無駄に消費し、この2つが重なる事で口内炎に繋がっていきますので、ファスティングに入る前から、ビタミンB群・亜鉛・アブラナ科野菜(キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、クレソン、ケール、カイワレ、かぶ、菜の花、わさび、芽キャベツ)炎症を抑え、食事からナイアシン、ビタミンB6を摂る事をおすすめします。
ナイアシンが多い食材
ビタミンB6が多い食材
血液検査のデータがあればナイアシン不足の傾向をLD(LDH)で推測する事ができます。
180前後を目安に判断してください。
ファスティング中の対策としては、食事からビタミンB、Cを摂る事ができませんので、ビタミンBと、ビタミンCのサプリを摂ってください。
2日程で良くなってきます。
ビタミンBバーナーはビタミンB、C、クエン酸が摂取できる事で代謝を上げる事で脂肪燃焼のサポートにもなります。
⇒ビタミンBバーナー
ファスティング中の舌苔
ファスティング2~3日目以降の朝あたりから舌がネバネバ白くなり、唾液もネットリしているとカンジダを疑います。
カンジダ菌はいくつか種類がありますが、おもにカンジダ・アルビカンスという真菌(カビ菌)を指します。
カンジダは常在菌であり、普段はおとなしくしているのですが、異常繁殖し、酵母体から菌糸体に変化する事で様々な疾患を引き起こします。
膣カンジダをご存じの方は多いですが、口腔や腸にも常在菌として棲んでいる事はあまり知られていないと思います。
口腔、膣にカンジダが発症すると腸カンジダの異常繁殖を疑ってもよいでしょう。
もともとカンジダは常在菌であり、酵母状態で少量存在する分には問題ありませんが、異常繁殖すると、全身疾患、慢性疲労、頭のもやもや、イライラ、砂糖中毒、変な食欲、生理不順、生理痛、PMS、不妊、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など様々な悪影響を引き起こします。
▼腸カンジダ
異常繁殖する原因として、スイーツ・小麦の過食、乳製品、ピル、抗生物質、腸内環境の悪化、水銀、高血糖状態、ストレス過多(コルチゾール分泌が増える)などがあげられます。
とくに甘い物・スイーツを異常に欲する場合やニキビ、背中ニキビ、水虫、度重なる膣カンジダなどのトラブルがある場合は腸カンジダの疑いが強くなります。
話はそれますが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断される方に共通するのが、リーキーガットシンドローム(Leaky Gut Syndrome(LGS)、腸もれ)で、LGSに罹っている方に共通するのが腸カンジダの異常繁殖です。
PCOSの症状として、無月経、無排卵月経、不妊、生理不順、生理痛、ニキビ、背中ニキビ、オイリー肌、気分のむら、頭のもやもやなどカンジダと似た症状があります。
もし、ファスティング中に舌苔が増え、上記症状があてはまる場合は一度医療機関で腸カンジダの検査を行ってみてはいかがでしょうか。
ナチュラルアートクリニック@東京・四ッ谷
話を戻して、ファスティング中は唾液分泌が少ない事で殺菌力が低下し、口腔カンジダが繁殖し舌苔が多くなります。
舌苔の対応策として舌を軽くブラッシング、カンジダは酸を嫌うので、ブラッシング後、梅干しを口の中で転がしたり、薄味のお酢やレモンなどの柑橘を搾った水でうがいをし唾液量を増やせば舌苔が少なくなってきます。
激しいブラッシングは逆に舌を傷つけしまいますので気を付けてください。
腸カンジダを抑えるためには、酵素ドリンクに搾ったレモン、シークワーサー、リンゴ酢、黒酢、クエン酸など入れて、酸度を上げて飲む事をおすすめします。
腸カンジダが増えるとバイオフィルムというバリアを張り、強力な防衛力を持った状態になります。
ファスティング後に食生活の改善、乳酸菌やカンジダ除菌サプリなどを使いながら除菌していく事をオススメします。
主に、糖質、スイーツ、パン、小麦類、乳製品、発酵食品、ピル、抗生物質など控え、乳酸菌サプリ(ロイテリ)、カンジダ除菌サプリ(カンジダの細胞を壊す消化酵素)、抗菌作用のあるハーブ(ニンニクのアリシン、シナモン、オレガノ、ターメリック、パクチーなど)を摂りながら改善させていきます。
カンジダの除菌法、食事法、生活改善など、有料でカウンセリングを行っていますので、ご希望があればご予約を承っています。
ファスティング中のニキビ・吹き出物
これはファスティングによるアラキドン酸(オメガ6系の脂質)の上昇、血糖コントロールがうまくいかない事による交感神経、好中球の上昇によるニキビ・吹き出物の発症が考えられます。
ファスティング中は脂肪を分解する事で不足しているエネルギーを確保します。
脂肪分解が促進されることで遊離脂肪酸が増え、普段、油のことを考えない食生活を送っている場合、炎症を引き起こすアラキドン酸などのオメガ6系の脂質とEPA・DHAの炎症を抑えるオメガ3系脂質の比率が乱れます。
そこにストレスや血糖コントロールの低下があると交感神経を上げて血糖を上げようとします。
その際、好中球が上昇し、その影響で活性酸素や炎症が増え、吹き出物、ニキビに繋がります。
下記血液データを見て頂ければ分かるように、ファスティング中は脂肪酸が多く分解される事で血中のアラキドン酸が増えます。
(▼右から左の順で見てください)
アラキドン酸の量は普段の生活習慣によって変わり、オメガ6系の脂質を多くとっている場合、アラキドン酸も多く、より炎症が起きやすい体質といえます。
ファスティング中に好中球が上がる方の傾向として、鉄欠乏、低フェリチンの方が多いように感じます。
鉄欠乏によって、ミトコンドリアによるATP産生がコントロールできない事で血糖コントロールができず、交感神経を上げて血糖値を上げようとした結果、好中球が上昇します。
亜鉛が欠乏していると交感神経の上昇のコントロールがむずかしくなり、交感神経が上がった状態が続く事により、その結果、アラキドン酸が多い事と、炎症が増加する事でニキビ・吹き出物が増えるのだと思います。
もし、あなたが高アラキドン酸、鉄欠乏、低フェリチン、低亜鉛の傾向がある場合、ファスティングによって肌荒れ・ニキビが引き起こるリスクが増えるでしょう。
理想としては
EPA:AA比:0.5前後
好中球(Neutro):50~60%以下
血清鉄:100前後
フェリチン:20前後
亜鉛:100前後 (亜鉛:銅比率が1:1)
であればベストと言えます。
ファスティング中に限らず、普段から抗炎症脂質であるオメガ3脂肪酸を意識して摂る事で肌荒れ、ニキビはじめ、体内の炎症リスクを軽減させる事ができます。
ファスティング中にできたニキビ、吹き出物は普段と違って、ファスティングの治癒力促進効果により2日ほどで治まってきます。
ファスティング中の寝起きの震え、冷や汗
頭が痛くて目が覚める、目覚めの吐き気、震え、冷や汗、悪夢などは夜間低血糖か、脱水症状の可能性があります。
普段から甘い物を良く食べてたり、副腎疲労があるとファスティング中の血糖の調整がうまく行えず、下記のような夜間低血糖による不調がでます。
その際は、薄めた酵素ドリンクを飲むとすぐに(約1時間弱)治まりますので、パニックにならず、落ち着いてください。
間違っても濃いめの酵素ドリンクを飲まないように注意してください。
血糖値が急激に上がることで、一気にインスリンが分泌され、今度は一気に低血糖になり不調の血糖乱高下のスパイラルが引き起こります。
他の原因として、ファスティング中に塩分・ミネラル摂取が足りないことで脱水状態になり、目覚めの頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が引き起こります。
本来、アルドステロンというホルモンが働き、尿による塩分の排泄を調整し塩分不足にならないように機能しますが、副腎疲労によるアルドステロン分泌の低下、持続的な高血糖や腎臓内に化学物質が蓄積していることによって腎機能が低下し、アルドステロンが作用しないことで、塩分再吸収能力が低下し脱水が引き起こります。
この場合、多種のミネラルが豊富なマグマソルトやミネラル酵素梅干しを食べたり、マグネシウムが豊富なぬちま~すを摂り、塩分を補給することですぐに治まります。1時間もすれば治まってきますのでご安心を。
これらアイテムが無い場合は、その他でミネラルが豊富な塩(うま味のある塩)を摂ってください。
塩の摂取量としては2gほど摂れば充分です。
ただし、精製塩(塩化ナトリウム)は避けてください。
ファスティング中の好転反応 まとめ
このように不調にはかならず原因があり、好転反応と一言で済ませられる事ではない最悪の自体が起こる事もあります。
実際には好転するというより、さらに不調になる事がありますので、自己流で行うファスティングは前準備とリサーチをしっかり行い、事前の準備食、必要なアイテムを揃えなければ、『危険と隣合わせ』だという認識をもって取り組んで頂きたいと思います。
ここで伝えてたことが絶対であり、必ずしも正解とは限りませんが、これらの症状が出る人の傾向や、それに対し行ってきた対処法として良い結果が出た方法となりますので、参考にして頂き、安全にファスティングを行って頂ければと思います。
不安な場合は、一度中断し、必要なアイテムを揃えて仕切り直すか、専門家のサポートを受けながら行う事をおすすめします。
ここからはご案内となりますが、目を通していただけましたら幸いです。
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この記事を書いた人
ファスティングアドバイザー(1級断食指導者)
田中 裕規(断食メガネ)/ファスティング、分子栄養学、筋トレ、料理の専門家
ファスティングと分子栄養学の専門家/1級断食指導者/ファスティングマイスター学院・上級講師/臨床分子栄養医学研究会・指導認定カウンセラー/ファスティングサポート実績18,235人以上/ファスティングと分子栄養療法のスペシャリストとして各メディアで紹介いただいています。
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